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奈須きのこの作品は作者自身の世界観に基づいて開陳される薀蓄こそが面白さの本質であり、キャラクターはその世界観を掘り下げるための仕掛けだと思っている。
そのため、実は非常に映像化に向いていないのではないかと思っていたのだが、図らずしもそれが証明された格好になったと思う。
この俯瞰風景、原作では飛び降り自殺をネタに浮遊/飛行/墜落の関係性についての薀蓄が展開され、その世界観が章全体を支えるバックボーンとなる。
しかし、この劇場版では四十五分間という短い時間内で映像化する必要上、大幅にカットされてしまっている。 その為、最後の「今日は飛べなかったんだろう」という台詞に原作にあった重みが無くなってしまっているような気がする。
その結果、この劇場版では「本妻が自分のものに横恋慕してきた泥棒猫をブチ殺しに行く」というお話になってしまっている。 原作の物語を忠実に抽出するとそれこそが本質なのかもしれないが、それでは原作を読んでいない人には面白さが伝わらないんじゃないだろうか。 原作ファンのためだけの映像化ならこれでいいのかもしれないが。
なお、映像化に伴って両義式のいじらしさ、かわいらしさが大幅に増しているので、原作ファンには問答無用でお勧めする。
奈須きのこのDDD(Decoration Disorder Disconnection)、読了。
秋葉ルートのバッドENDの最後の一言が大好きな人間としては一寸物足りない。
もっと狂っててくれたほうが読み応えがあった気がする。 あと、叙述トリックを使いすぎな気がする。 それぞれの話の最後のほうで「は?」って気分にしかならない。 もう一寸、やりようが無かったんだろうか?
あと、あやかしびとを思い出してしまったよ。 現代に突然変異種が生まれだして、社会がそれに折り合いを付け始めた頃の物語てことで。
ライトノベルの特徴なのかもしれないけど、みんなあれか?変身願望とかありますか? 民俗学とか心理学とかにはそれなりに当てはまる単語があるんだろうけど、当方は門外漢なので知らない。
ある日突然、外的要因によって自分が他者とは異なる「特別な何か」に変容してしまう、それも物理的に強者になる(それでも社会的には弱者ってのがみそか?)。 ってのは三十路のおっさんからすれば痛いことこの上ない願望な気がするけど、中高生には結構ある願望なんだろうか? 努力せずに自分が変わる、他人の目が変わることを望むのは幼稚な気がするけどなぁ。
それを言っちゃぁ伝奇はおしまいだろって気もするけど、どうなんだろうね。